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肺炎

概要

肺の中に細菌やウイルスが入り込み、炎症を起こしている状態を肺炎といいます。肺炎は、風邪とよく似た症状を呈することが多いのですが、風邪はたいていの場合自然に治るのに対し、肺炎では重症化すると入院が必要となることもあります。肺炎はどの年代でもかかる病気ですが、重症化のリスクは高齢者において著しく高くなっています。また、肺炎はわが国の疾患別死亡順位の第3位を占めていますが、死亡者のおよそ95%は65歳以上です。とりわけ高齢者は誤嚥性肺炎と呼ばれる肺炎が約7割であると言われています。

原因

多くの原因は細菌感染によるものです。その他にウイルス、寄生虫など様々な微生物によって気管支や肺胞に入り、免疫低下により防御機構が機能しない場合や感性力の強い微生物の場合、肺を侵し感染症になります。コロナウイルス(MERS、SARS)や新型コロナウイルス(Covid-19)の病原体も重篤な肺炎を引き起こす可能性のあるものとして知られています。
高齢者がかかりやすい誤嚥性肺炎も細菌感染によるものがほとんどですが、そのきっかけとして雑菌を含む食物、唾液、吐瀉物などが誤嚥(呑み込み損なう)によって気管に入り、それが場合
また、肺炎は感染経路によって、市中感染と院内感染に分類されることがあります。市中感染は、普通に生活して感染する場合であり、院内感染は入院中に感染してしまうものを指します。

症状

38度を超える高熱が出て、のどが痛み、鼻水がでたり、黄色や緑の痰が出たり、呼吸をするときに喘鳴(ぜーぜーと音がする)ことがあります。また、呼吸が苦しくなったり胸が痛んだり、倦怠感に見舞われることがあります。これらは、風邪の症状と似ていますが、高熱や激しい咳が1週間も続く場合には肺炎が疑われるため、受診が必要になります。

なお、高齢者の場合、高熱にならないなど、典型的な症状が出ない場合があるので注意が必要です。

検査・診断

まず呼吸音の聴診を行い、肺炎特有の雑音がするかどうかを診ます。その後、胸部エックス線検査を行ったり、胸部CT検査を併用することもあります。また、血中酸素濃度や炎症の程度を調べるための血液検査、細菌の種類を特定するための喀痰検査を行うことがあります。

治療

肺炎の原因を見つけ、それに効く抗菌薬を使用します。改善がなければ症状緩和させるための対処療法を行います。症状が軽い場合は通院でも可能な場合もあります。逆に呼吸の状況が悪く酸素を取り込めない、全身状況が良くない場合は入院による加療が必要となります。

予防/治療後の注意

肺に雑菌が入らないようにすることが肺炎予防の基本です。そのため、うがいなどにより口腔内を清潔にしておくこと、手洗いをしっかりすることなどが予防になります。また、規則正しい生活をすることや、喫煙をしないことも肺炎予防につながります。成人用肺炎球菌予防ワクチンは、高齢者や糖尿病などの基礎疾患を持つ人に接種が推奨されています。因みに、このワクチン接種は自治体によっては助成を行っている場合がありますので、お住まいの自治体に問い合わせてください。また、インフルエンザから肺炎になる場合もあるので、インフルエンザワクチンも肺炎予防になります。

参考/引用

Doctors File:肺炎
MSD製薬:肺炎予防.jp
すぐに役立つ暮らしの健康情報:メディカルライフ教育出版より「気をつけたい感染症 肺炎」
J-STAGE 日本老年医学会雑誌:超高齢社会における誤嚥性肺炎の現状

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