HPVワクチンが安全であることはすでに確認されています。そのため、接種することをむやみに恐れる必要はない、ということをこちらの記事でお伝えしました。
ただし、いくら安全でもワクチンが本当に効くのか、その有効性が確認されていない限りワクチンを接種する意味がありません。有効性と安全性は、いわばクルマの両輪のようなものです。「ワクチンが効く」ということは、HPVワクチン接種に関して言えば、HPVワクチンによって子宮頸がんなどの疾病を予防する効果があることです。
当然ですが、HPVワクチンはその有効性についても科学的に検証されています。海外においても、そして国内においても研究にもとづいたエビデンスが示されています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)には、遺伝子の型があり、HPVワクチンの接種によって、それらの型によって引き起こされる疾病を予防する効果があります。子宮頸がんは、HPV16型と18型への感染によって引き起こされると考えられています。4価ワクチンによるデータでは、HPV16型および18型に対する予防効果は70%~100%とされています。それは、子宮頸がんに対する70%以上の予防効果があることを意味します。
なお、2020年には、4価のHPVワクチンが子宮頸部浸潤癌のリスクを63%下げることが、世界的に権威のある医学雑誌New Englang Journal of Medicineで発表されています。
HPVワクチン接種の目的は、子宮頸がんにかからないようにし、子宮頸がんによる死亡数を減らすことにあります。
それがどの程度なのか、厚労省の健康局が試算しています。
それによれば、子宮頸がんはHPVワクチン接種により
となっています。
HPVワクチンの持続効果については、ワクチンの添付文書に記されています。効果は種類によって異なります。
なお、9価ワクチンの場合は、「予防効果の持続期間は確認されていない」と書かれています。
HPVワクチンについてはこちらもご参照ください。