ロゴの画像

生理痛(月経困難症)

概要

生理中、下腹部痛や頭痛、吐き気などの症状があり、日常生活に支障を来している状態を月経困難といいます。はたらく女性の4人に1人以上が強い月経痛を自覚しているというデータもあるくらいです。月経困難症の原因には、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、骨盤腹膜炎など症状を起こす疾患が隠れていることもありますので、それらがないか調べることも大事です。

原因

原因は様々で、何らかの疾患が原因となっている場合とそうでない場合と、2種類に大別されます。原因となる疾患には、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮頸がん、子宮体がんなどがあります。一方で、全体の約50%はこれらの疾患とは関係なく生じているため、一見健康な女性であっても、起こりえます。

症状

月経痛としては、寝込むほど痛かったり、動けないほど痛かったりします。また、腰痛や頭痛、吐き気、お腹の張りなどを自覚する方も多いです。痛みの程度や症状には個人差が大きいですが、中には、学校に行くことが難しかったり、はたらくことが難しい方もいます。

検査・診断

まずは、お話を伺います。普段の月経の様子やそれに伴う症状をお聞きします。その上で、月経困難症の原因となる疾患がないかどうかを調べます。内診や超音波検査、血液検査、感染症検査などの検査を必要に応じて行います。

治療

原因となる疾患があればその疾患に対する治療を行います。原因となる疾患がない場合は、以下の治療を行います。月経痛の疼痛緩和により、日常生活に支障を来さないよう症状を軽減させることが目標です。

1 鎮痛薬(痛み止め):ロキソニンなど

2 漢方薬:芍薬甘草湯、当帰芍薬散、加味逍遙散、当帰建中湯など。4〜12週間の内服で症状の改善を期待できることが多いです。

3 低用量ピル(OC・LEP):ヤーズ、ルナベル、フリウェル、ジェミーナなど

4 レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS):子宮内膜の増殖を持続的に抑制してくれます。また、出血を減らしてくれたり、月経痛を緩和させてくれます。

メリット、デメリットについてご説明の上、受診者の方にあった治療法を選んでいただいています。