ロゴの画像

女性検診

概要

女性検診とは、女性特有の器官に現れる病気の早期発見を目的としたもので、子宮頸がんを主とし、他に子宮体がん、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫など女性特有の病気がないか調べる検査です。当院では実施ができませんが、乳がん検診も含めて行われることもあります。

対策型検診と任意型検診

がん検診は市町村の住民健診などで行われる対策型検診と人間ドックなどの任意型検診の2つに分けられます。対象型検診は、対象となる集団全体の死亡率を下げることを目的とした予防的な公共サービスとしての検診で、無料または少額の一部負担で行われます。一方、任意型検診は、医療機関が任意で提供する医療サービスで、全額自己負担になります。加入している健康保険組合によっては、人間ドックの一部費用助成を行っている場合もあります。任意の検査ですから、検診の年齢に特に制限はありません。

女性検診の中心となる子宮頸がん、乳がんとも対策型検診の対象となっています。市区町村で行うがん検診については、がん検診の専門家やがん医療の専門家などから構成される「がん検診事業の評価に関する委員会」において、きちんとしたデータをもとに、「対象となるがんの種類」「対象者の範囲」「検査方法」等の検討が行われ、その結果をもとに実施されるため、それらが市町村ごとに多少異なります。(以下の対策型検診例は、ゼロマチクリニック天神のある、福岡市のケースについて記載します)

子宮頸がん検診

対策型の検査対象となるのは、20歳以上の女性です。2年ごとに1回検診を受けます。内容は問診・視診、子宮頸部の細胞診です。子宮頸がんは子宮の出口近くに出来るがんで、進行するまで自覚がないのが特徴です。2年に1度、確実に検診を受けることが大事です。子宮頸がんは、性交によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因で、そのウイルスのワクチンを小学6年生から高校1年生までに接種することが勧められています。ワクチンは子宮頸がん予防には極めて有効ですが、それでも子宮頸がんにかかるリスクは残ります。そのため、20歳以上の女性が子宮頸がんにならないようにするためには、がん検診が必要です。

子宮頸がんの検査で行うことは、医師の問診のあと、子宮近くの細胞を採取することです。数分で終わります。出血することがありますが、自然に止まります。なお、生理の場合は検査を受けられないことにご留意ください。検査結果はメールで通知されるか医師から直接聞くこともありますが、検査結果によっては精密検査が必要となります。

乳がん検診(※当院では実施不可)

対策型検診の検査対象となるのは40歳以上の女性です。2年ごとに1回検診を受けます。内容は問診とマンモグラフィーです。

マンモグラフィーとは乳房専用のX線撮影のことです。2枚の板で圧迫し、片方の乳房を薄くのばした状態で撮影します。そして、乳房をくまなく調べるために乳房を挟む方向を2つ(斜め、上下)に設定します。マンモグラフィーは、乳房を触っても発見できないようなしこりを作らないがん(非湿潤性がん)も石灰化した病変として発見しやすいというのが特徴です。欠点としては、妊娠中には検査ができないことと、乳房を挟むために痛みを伴うことがあることです。また、マンモグラフィーは乳腺もがんも白く写るので、乳腺の発達した女性ではがんかどうかの診断が難しくなることもありますが、40歳以上の女性では、乳腺が減っているためにガンの発見に適しています。

乳がんの5~10%は遺伝性のものだとされており、近親者に乳がんを発症した人がいる場合には若い女性でも乳がんの発症が心配されることもあるでしょう。

対策型検診の対象とはなっていませんが、乳がん検診の代表的な方法として超音波検査があります。超音波検査は、乳房に超音波を当て、その反射波を画像にすることで、乳房内部の状態を見るものです。超音波検査は、乳腺が発達している40歳以下の女性が痛みなく受けられることや、X線の被爆がなく、妊娠中でも検査が可能だというメリットがあります。一方で、石灰化の評価がしづらかったり、検診での有効性がまだ確立していない(ただし厚労省の指定研究が進行中)ために、費用が自己負担となるなどのデメリットがあります。マンモグラフィー、エコーの他に、小さなしこりを発見しやすい乳房MRI検査も少しずつ使われつつあります。

参考文献

https://yokohama-east-clinic.jp/dock/woman/

https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/shika-eiyo/qa/FAQ2046.html

https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/shika-eiyo/health/kenko-dukuri/gankenshinsuisinjigyou_h30.html

https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/what/type/

https://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/women/

https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/radiological_technology/radiological_diagnosis/xsenkensa/020/020.html

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/joshi-kenkobu/shikyukeigan/