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HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

9価ワクチン(シルガード9)

2023年4月より、定期接種対象者は無料(小学校6年生〜高校1年生の女性)。

キャッチアップ接種対象者:1997年4月2日〜2007年4月1日生まれの女性(過去にHPVワクチンを合計3回受けていない方)

自費の場合は、全3回で92,400円(税込)。1回あたり30,800円(税込)。

男性も女性も接種可能

4価ワクチン(ガーダシル)

定期接種対象者は無料(小学6年生〜高校1年生の女性)。

キャッチアップ接種対象者:1997年4月2日〜2007年4月1日生まれの女性(過去にHPVワクチンを合計3回受けていない方)

自費の場合は、全3回で59,400円(税込)。1回あたり18,400円(税込)。

男性も女性も接種可能

※キャッチアップ接種の対象に該当する方は、2022年4月〜2025年3月までの3年間、公費で接種可能です。

接種間隔

全部で3回もしくは2回ワクチン接種を行います。

【9価ワクチン(シルガード9)】※年齢により接種回数が変わります。
15歳になるまでに初回接種した場合:全2回(初回接種から6ヶ月後に2回目の接種)
15歳になってから初回接種した場合:全3回(初回接種から2ヶ月後に2回目、6ヶ月後に3回目の接種)

【4価ワクチン(ガーダシル)】
接種回数:全3回(初回接種から2ヶ月後に2回目、6ヶ月後に3回目の接種)

お急ぎの場合など、短期間で終えたい特別な理由がある方は、別の間隔で接種する方法もあります。気軽に相談ください。

HPVワクチンは、定期接種の対象です

子宮頸がんを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種は、予防接種法に基づき、2009年10月よりワクチンとして承認され、原則無料の定期接種(小学6年生から高校1年生相当の女子を対象)が開始されましたが、定期接種開始後の慢性の痛みや運動障害といった「多様な症状」の副作用についての情報が取り上げられ、厚労省は2013年から2021年までHPVワクチンの積極的勧奨(個別に接種を勧める取組)を差し控えていました。この差し控え期間の影響もあり、2004年以降生まれのワクチン接種率は1%程度と極端に減ってしまいました。

しかし、2021年11月の専門家の会議にて、あらためて安全性において特段の懸念が認められないとされたことから、HPVワクチン(2価・4価)の定期接種は2022年4月より再開され、さらに2023年4月にはHPVワクチン9価も定期接種の対象となり、公費での接種が可能となっています。

また、積極的勧奨の差し控え期間に定期接種ができなかった対象の方々にも、公平な接種機会を確保する観点から、定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えて、あらためて公費での接種の機会としてキャッチアップ接種が可能となっています。

3種類のHPVワクチン、2価、4価、そして9価

子宮頸がんの原因を減らす、最も有効な方法がHPVワクチンの接種です。子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関係しています。HPVはごくありふれたウイルスで、性的接触によって感染し、性交の経験がある女性の5割から8割が感染するとされています。ちなみに男性であってもHPVに感染します。

感染者の女性の一部で、HPVの作用で細胞の一部が変化し、前がん病変からがんへと進行してゆきます。このようなことから、性交経験前が最もHPVワクチンの効果が高く、小学6年生から高校1年生までのワクチンの定期接種は公費負担(無料)となっています。

新型コロナウイルス同様、HPVにも遺伝子による型があり、がん化へのリスクが高い15の型が特定されています。そのうち、HPV16、HPV18は、子宮頸がんへと進行する確率が高く、スピードも速いと言われています。このHPV16、HPV18の2つの型の感染予防に有効なワクチンが2価ワクチンと呼ばれています。このHPV16、HPV18に加え、尖圭コンジローマ(性器やその周辺に発症する良性のいぼ)の原因となるHPV6,HPV11の感染予防効果があるワクチンが4価ワクチンです。さらに、日本で2020年に製造販売が承認された9価ワクチンは、4価ワクチンに加えて、がんを引き起こす可能性のある5つの遺伝子(31型、33型、45型、52型、58型)にも有効で、国内の臨床研究においては、90%の感染が予防できたと報告されています。

これまで、公費負担となる定期接種の対象は2価・4価の2種類のみでしたが、2023年4月より、9価ワクチンも公費負担での定期接種が可能となりました。

9価ワクチンの安全性は、4価と同様かそれ以上

気になる安全性ですが、9価ワクチンは先に安全と見なされている2価と4価のワクチンと比較して検証した結果、4価と同等かそれ以上の安全性があることが確認されています。9価ワクチンは、2014年にアメリカで、現在は世界80カ国以上の国と地域で承認され高い安全性が認められています。その安全性と効果の高さからアメリカでは9歳から26歳の男女に接種が推奨されてきましたが、2018年にはさらに27歳から45歳の接種も承認されています。

ゼロマチクリニック天神では、HPV9価ワクチン接種を積極的に行っています。

参考資料

ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省)

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~

子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産婦人科学会)

9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチンファクトシート(国立感染症研究所)

HPVワクチン(日本産婦人科医会)

厚生労働省ホームページ 〜9価HPVワクチン(シルガード9)について〜

公益社団法人日本産科婦人科学会