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コロナ禍で増加傾向、帯状疱疹とは?

コロナ禍で増加傾向、帯状疱疹とは?

2023-11-30 Uncategorized

1. 帯状疱疹とはどんな病気?
2. 症状が現れたら早めの受診を!
3. 後遺症・合併症
4. 50歳以上は予防接種を
5. 長引くコロナ禍で増加傾向

1.  帯状疱疹とはどんな病気?

帯状疱疹は身体の左右いずれか片方の神経に沿って、帯状に赤い発疹や水ぶくれが現れます。症状は上半身に現れることが多く、顔周辺に現れることもあります。皮膚症状が出る前から痛みや倦怠感があり、皮膚症状が現れる頃にはピリピリとした痛みやズキズキと激しく痛むようになります。その後、皮膚症状が治った後も神経の損傷によって痛みが続きます。 帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって発症します。ウイルス保有者であれば誰でも発症の可能性があります。水痘・帯状疱疹ウイルスは水疱瘡を引き起こすウイルスです。日本では幼少期に罹患している人が多く、日本の成人の9割以上がこのウイルスを保有しています。水疱瘡にかかった後、症状がおさまって皮膚の水疱が治った後もウイルスは体内に潜伏し、完全に除去されておらず神経細胞に残っているのです。このウイルスは加齢、過労、ストレス、生活習慣の乱れなどがきっかけで再び活性化してしまうことがあります。

2.  症状が現れたら早めの受診を!

帯状疱疹になってしまった際、はじめは以下のような症状が出ます。

しかし、上記の痛みだけでは判断できず、別の病気や症状と誤解されるケースも多くあります。痛みに加え皮膚に水ぶくれなどが現れた場合は速やかに皮膚科や内科を受診しましょう。 帯状疱疹は治癒できる病気ですが、早期発見・早期治療が重要です。発見・治療が遅れると後遺症が残ってしまうことすらあります。帯状疱疹が疑われる場合は早期に医療機関を受診しましょう。週末でも診療している医療機関の受診をおすすめします。先延ばしにすることで、症状がさらに長引く、重症化する、抗ウイルス薬の効果が十分得られない可能性があります。 治療は抗ウイルス薬が中心で、外来での内服(しばしば入院での点滴)が行われます。いずれの治療も7日間ほどで終了します。しかし、治療を開始してもすぐに改善するわけではありません。抗ウイルス薬が体内に取り込まれ、ウイルスの活動停止までに2〜3日程度かかり、症状の改善までにはさらに時間が必要です。

3.  後遺症・合併症

治療が遅れてしまった場合や症状が重症な場合は、発症から数ヶ月後に後遺症が現れることがあります。皮膚症状が消えた後も神経が傷ついたことで痛みが続きます。数ヶ月から10年以上続く場合もあり、また知覚神経のそばにある運動神経に影響があると麻痺が生じます。顔面神経麻痺、排便や排尿に支障が出る場合もあります。 帯状疱疹の合併症で特に頻度の高い後遺症に、皮膚症状治癒後も痛みが残る、帯状疱疹後神経痛があります。痛みの種類は持続性の痛みや疼くような痛み、そして、軽い接触だけでも痛むケースなど様々です。睡眠や日常生活に支障をきたしてしまい、精神的にも辛くなる場合があります。

4.  50歳以上は予防接種を

加齢によって発症するリスクは高くなると考えられます。50歳以上においては発症率が急増し、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。 帯状疱疹患者の約70%は50歳以上で、後遺症が残ってしまうケースも多くあります。一度水痘にかかった方も、加齢に伴い感染リスクが上昇します。予防接種を検討してもよいでしょう(2016年3月から、50歳以上を対象に、帯状疱疹ワクチンの接種が可能になりました)。 ワクチン接種によって発症が抑えられる、あるいは発症した場合も重症化しにくい、痛みが残りにくいという効果があります。

5.  長引くコロナ禍で増加傾向

未だ終わらないコロナ禍で若年層の患者が帯状疱疹を発症してしまうケースが増えています。 感染症や糖尿病、がんなどの疾患等がある方は帯状疱疹を発症する可能性が高くなります。長引くコロナ禍で、精神的に不健康な状態でもリスクは高まります。以前のように外出が出来ないことで運動不足やストレス解消できないことも要因として考えられます。 また、コロナウイルスに感染してしまうと帯状疱疹の発症リスクが高くなるかもしれないといった報告があります。アメリカの約200万人のデータを解析した研究によると、50歳以上で新型コロナウイルスに感染した人は感染していない人と比較し、感染から6ヶ月以内の帯状疱疹発症リスクが15%高く、さらに新型コロナウイルスの入院患者における帯状疱疹の発症リスクは21%高い結果が出ています。 感染リスクを下げるためにも、まずは、適度な運動、睡眠、バランスの良い食事を心がけましょう。

ゼロマチクリニック天神でも診察のご予約が可能です(WEB予約より)。

参考情報

帯状疱疹予防.JP:帯状疱疹とは・・
武田薬品工業株式会社:50歳から気をつけたい帯状疱疹
沢井製薬:サワイ健康推進課「長引く辛い痛みで後悔しないために帯状疱疹の防ぎ方・治し方」
東洋経済ONLINE:激痛!コロナ禍で「帯状疱疹が急増」3つの理由
公益社団法人日本皮膚科学会:皮膚科Q&A ヘルペスと帯状疱疹

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