2022.07.10 #接種対象のみなさんへ

子宮頸がんワクチンは1種類ではないと聞きましたがどう違うの?

子宮頸がんの原因となるウイルス(HPV:ヒトパピローマウイルス)には、さまざまな遺伝子の型があり、200種類以上であるとわかっています。そのうち、がんの原因になりうるものをハイリスク型、がん以外の病気(たとえば尖圭コンジローマ)になりうるものをローリスク型と分類しています。ハイリスク型HPVは発がん性HPVであるとも言えます。ただし、ハイリスク型HPVに感染した場合でも、多くはがんにならずに消失してしまいます。

ハイリスク型のHPVは、16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 66, 68型です。中でも16型と18型は子宮頸がんの6-7割を占めるとされています。この16型と18型のハイリスク型HPV感染予防効果のあるものが子宮頸がんワクチンです。

16・18型に対してのみ予防効果のあるワクチンが2価ワクチンで、サーバリックスという名称です。そして、16・18型の他に、6・11型の感染予防効果のあるものが4価ワクチンで、ガーダシルという名称です。ただし、6型も11型も尖圭コンジローマの原因となるHPVであり、ローリスク型です。子宮頸がんの予防という観点ではサーバリックス(2価ワクチン)もガーダシル(4価ワクチン)も同じですが、HPV感染の守備範囲が4価の方が広いという違いがあります。

サーバリックスとガーダシルの2種類、すなわち2価ワクチンと4価ワクチンが無料で受けられる定期接種の対象となっています(2022年4月現在)。

2020年の7月には新たに9価ワクチンの製造販売が承認されました。9価ワクチンは(6・11・16・18・31・33・45・52・58型)の9つの型の感染を予防するワクチンで、シルガード9という名称です。6・11型は尖圭コンジローマ(良性腫瘍)の原因となるものですが、それ以外の7つの型は子宮頸がんのほか、女性の膣がんや肛門がん、中咽頭がんの原因ともなるハイリスク型です。

海外ではすでに9価ワクチンを定期接種の対象としている国もありますが、日本ではまだ検討されている段階で、シルガード9の接種は自費(有料)となります。

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