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便秘

概要

便通は毎日あるのが健康な状態です。3日以上なかったり、便が硬くて量が少なく残便感があったりする状態を便秘と呼びます。女性に多く、排便が困難になるほか、腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状もあらわれます。肌荒れや肩こりなど、全身に影響が出ることもあります。
次の場合は、自己療法で対処せず、すぐに受診してください。

直ちに医療機関での治療が必要な、腸閉塞や大腸の潰瘍・穿孔、あるいはクローン病などの特殊な病気も考えられます。

痔の悪化かもしれませんが、大腸がん、直腸潰瘍の可能性もあり、詳しい検査が必要です。

原因

便秘の原因は4つのタイプに分けられます。

大腸や直腸の働きの異常による便秘で最も多いタイプの便秘とされています。生活習慣の乱れで大腸の働きが鈍くなる、ストレスの影響、便意を習慣的に我慢することが原因と考えられます。

大腸がんや手術後の癒着、炎症性疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)などが原因で起こる便秘です。女性の場合、直腸の一部が腟に入り込んでしまう直腸瘤もよくある原因です。

甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症によって大腸の働きが弱くなることが原因で、女性に多い病気です。女性の場合、生理や妊娠中にホルモンの影響で便秘になることがあります。神経損傷や糖尿病の合併症などで神経の働きが不調になった場合も、このタイプの便秘が起こります。

抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や頻尿、パーキンソン病などの薬)、せき止めなどは大腸の働きを抑えるため、副作用で便秘になることがあります。

治療法・対策

便秘の原因は多岐にわたり、原因が異なれば治療法も異なります。
強い腹痛や吐き気、発熱などを伴う、便に血が混ざる場合は早期に医療機関の受診をお勧めします。
便秘を放置すると悪循環が生じ、痔、脱肛、糞便塞栓症、大腸の潰瘍、穿孔、腹膜炎といった合併症が生じる場合があります。

また、自身で便秘の薬を日常的に使用することにも注意が必要です。便秘薬に慣れてしまい効果が得られなくなってしまう場合があります。便秘の薬は様々で漢方や生薬などもあります。診察の際、医師に相談しましょう。

便秘を防ぐ、改善するためには運動やマッサージを習慣化し、ストレスや冷えに気をつけましょう。食事に気を使うことも重要です。食物繊維と水分を十分とり、腸内環境を整える食品を食事に取り入れましょう。食生活の乱れ、リズムを正すことが便秘改善の第一歩です。

参考・引用

日本臨床内科医会:便秘
クラシエ:便秘の原因とは?症状や解消方法について解説