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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠り始めると呼吸が止まってしまう病気で、呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下し、目が覚めて再び呼吸を始めますが眠りだすとまた止まってしまいます。睡眠中に、10秒以上の呼吸停止が5回以上、もしくは呼吸が弱くなる低呼吸が発生している場合は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

症状

睡眠中に、10秒以上の無呼吸といびきを繰り返す・中途覚醒・入眠困難・不眠症・倦怠感・疲労感・昼間の傾眠傾向・抑うつ・集中力の低下・夜間頻尿・頭痛など様々な症状があります。

原因

睡眠時無呼吸には、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、中枢型睡眠時無呼吸(CSA)、混合型(または複合型)睡眠時無呼吸の3種類があります。閉塞型は各種病型の中でも最も多く見られ、睡眠中の上気道の狭窄や閉塞が主な起因となり無呼吸になりやすいとされています。中枢性の場合は、中枢神経系に障害が生じ、脳から呼吸の司令が出なくなるため無呼吸が見られます。混合型の場合は、閉塞性睡眠時無呼吸と中枢型睡眠時無呼吸が組み合わさった睡眠時無呼吸です。睡眠時無呼吸の原因の一つとして肥満があげられます。肥満である場合、上気道周囲の脂肪により喉が狭くなりやすく、体重増加が軽度であっても無呼吸になりやすくなります。そのため、減量により適正体重を維持することで、無呼吸が起こりにくくなります。

検査・診断

脳派・心電図・鼻や口の気流測定・終夜睡眠ポリグラフ検査・筋電図・睡眠時の姿勢・いびきの音を通して診断されます。 また、睡眠時無呼吸症候群に心あたりがある方は、自分で計測できる簡単な自己診断ESS(Epworth Sleepness Scale)でセルフチェックを行うこともできます。24点満点中、11点を超えると眠気は強いと判断されます。

治療

治療には、欧米や日本国内ではCPAP療法と呼ばれる経鼻的持続陽圧呼吸療法が最も普及している治療方法です。CPAP装置で鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。CPAP治療は、検査を行い一定の基準を満たせば、健康保険が適用となります。そのほか、マウスピース・外科的手術・減量・禁煙・酸素療法・薬物療法があります。

予防/治療後の注意

適正体重の維持に努めるため規則正しい生活習慣、バランスの取れた食事、適度な運動を心がける必要があるでしょう。また寝る時の姿勢は、仰向けで寝ると無呼吸やいびきの症状が悪化する可能性もあります。横向きやうつ伏せの姿勢など、工夫して気をつけましょう。

参照・引用
厚生労働省e-ヘルスネット:睡眠時無呼吸症候群 / SAS
レスメド株式会社:睡眠時無呼吸の種類
フクダ電子:睡眠時無呼吸症候群でお悩みの方へSASnet セルフチェック(ESS)