1. 糖尿病予備軍と糖尿病
2. 予備軍ならまだ大丈夫?
3. 早めの生活習慣改善を
4. 注意すべき合併症
5. 糖尿病と診断されたら治る?治らない?
糖尿病は大きく分けて、膵臓に問題がありインスリン(糖の代謝を調節、血糖値を一定に保つホルモンの一種)を作ることができなくなってしまう1型糖尿病と、遺伝や主に生活習慣が問題で発症する2型糖尿病があります。 糖尿病予備軍(境界型糖尿病)と診断された場合は、まだ糖尿病ではありません。しかし、正常よりも血糖値や腎機能・肝機能の数値等が悪く、このまま放置してしまうと2型糖尿病に移行する可能性が極めて高い状態とされます。2型糖尿病は急激に血糖値が高くなるわけではありません。数年かかって血糖値が高くなり糖尿病になってしまいます。
糖尿病予備軍、境界型糖尿病、糖尿病に気を付けてくださいと一度でも医療機関で言われたら、注意が必要かもしれません。自覚症状がなくても、数ヶ月、数年とそのまま放置し症状が現れた時には糖尿病が進行しているケースは少なくないからです。糖尿病は進行すると様々な合併症を引き起こしてしまいます。 そのため、糖尿病に完全に移行してしまう前に生活習慣を見直しましょう。
糖尿病予備軍が行うべき生活習慣の改善は、食事管理と適度な運動です。
①食事管理
薬との食べ合わせや飲み合わせ、栄養バランスを考え、自身に合った適正なエネルギー量の食事を取らなくてはいけません。食事を抜くことや暴飲暴食はせず、朝昼夕時間を決めて食事するように心がけましょう。また、食物繊維を多く含む野菜、海藻、キノコなどは食後の血糖値上昇を抑える効果があります。健康食品などは医師に相談してからにしましょう。
②適度な運動
適度な運動は、血糖値を下げるために重要です。ウォーキングなど軽く、継続できるところから始め、徐々に回数や時間を増やすと良いでしょう。
糖尿病と診断された場合、注意すべきは合併症です。糖尿病の初期段階では自覚症状がない場合が多く、進行するとさまざまな症状が現れます。
上記の異変に気がついたら早めに医療機関を受診しましょう。 これらの症状が悪化すると、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、動脈硬化(脳卒中や心臓病)へと進行する可能性があります。また生活習慣病(高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドローム)を同時に発症することも多いです。
糖尿病予備軍の治療では、糖尿病と診断するほどの異常がない場合、まず生活習慣の改善を行います。血液検査などで血糖コントロール不良と診断されると薬物療法が始まります。使用可能な薬は糖尿病と同じものです。 糖尿病治療も同様に生活習慣の改善と薬物療法です。糖尿病による高血糖は、治療すれば確実に正常値まで下げることが可能ですが、治療を停止すると高血糖に戻ります。糖尿病と診断されたら血糖値がコントロールできていても、自身に合った治療をきちんと継続し、定期的に通院する必要があります。すなわち治療が終わるということはなく、完治はしません。 早期に治療を開始、継続すると、健康な人と変わらない生活を送ることができます。
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日本イーライリリー株式会社:検証 日本糖尿病協会 知りたい糖尿病
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