1. 熱が出て体に赤いブツブツがでてきたら要注意!
2. 妊婦さんに風疹が危険な理由
3. 妊婦さんができる風疹予防
4. 風疹について困ったとき
5. 風疹抗体検査・ワクチン一部助成
1. 熱が出て体に赤いブツブツがでてきたら要注意!
風疹は、咳や唾にウイルスがのって感染します(飛沫感染)。風疹にかかると、2~3週間あとに熱や皮膚に赤いブツブツが出てきたり、目が充血し、耳の後ろや首のリンパ節が腫れてきます。また、関節の痛みがでることもあります。風疹は、患者1人から5~7人にうつると言われています。全く症状が出ずにいつの間にか感染し、気づかないうちに治ってしまう方もいるので(不顕性感染)、自分が子供のときに風疹のワクチンを打っているか、母子手帳で確認しましょう。
※風疹は、症状が3日間前後でよくなることから、一般の方には「3日はしか」とも言われます。
「3日はしか」は風疹、「はしか」は麻疹のことをさし、それぞれ似たような症状ですが別の感染症です。
2. 妊婦さんに風疹が危険な理由
妊娠20週頃までの妊婦さんが風疹に感染すると、ウイルスが胎盤を通過し、赤ちゃんに先天性風疹症候群を引き起こす場合があります。これは生まれつき赤ちゃんの心臓、目、耳に障害をもたらす病気です。
※先天性心疾患、難聴、白内障などが起こります。風疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は打つことができません。
3. 妊婦さんができる風疹予防
妊婦さんができる風疹予防法は下記の通りです。
- 風疹の抗体があるか確認する
妊婦健診では、全ての妊婦さんの風疹抗体をチェックしています。この時、ご自身とパートナー(家族)の抗体がちゃんとついているか確認しましょう。抗体価の検査には2種類ありますが、HI法 では32倍以上、EIA法では8.0 IU/mL以上あれば抗体がある証拠です。風疹の抗体価が低い人は風疹にかかりやすい状態です。周囲から感染しないよう人混みを避け、体調の悪い人には近づかないようにしましょう。
- パートナー(家族)に風疹ワクチンを打ってもらう
妊婦さん自身は風疹ワクチンを打てません。パートナー(家族)がワクチンを打ち、妊婦さんを守るようにしましょう。日本では30代後半以上の男性は、風疹ワクチンを打っておらず抗体を持っていません。30代~50代の男性は早めに風疹ワクチンを打ちましょう。風疹の抗体があるか無いか分からない場合は、風疹ワクチンを打っておくことが勧められています。以前に受けていたとしても、2回接種したことで副作用が出ることはありません。
妊娠中の方は、産後なるべく早くに風疹ワクチンを打ちましょう。授乳にはもちろん影響はありません。女性の方は、妊娠していないことを確認してワクチンを打ちましょう。ワクチンのあとは2ヶ月間妊娠しないよう避妊が必要です。
- 人混みを避け、こまめに手洗いをする
風疹は、唾や咳に入っているウイルスを吸い込んだり(飛沫感染)、手にウイルスがついて、口や鼻から感染します(接触感染)。
①外から帰ったら手を洗う
②食事の前に手を洗う
③口や鼻をなるべく触らない
④人混みや咳をしている人に近づかない
などを気をつけることで、予防することができます。
4. 風疹について困ったとき
- 妊娠しているのに気づかず風疹ワクチンを打ってしまった場合
妊娠中は風疹ワクチン接種を控えるようにいわれています。ただし妊娠に気づかず風疹ワクチンを打ってしまったとしても、赤ちゃんに問題ないと報告されています。奇形リスクは非常に低いと言われているので心配する必要はありません。
- 風疹にかかってしまったかもしれない場合
妊娠中の方は、まずかかりつけの産婦人科医に電話をして相談してください。連絡せずに突然病院を受診すると、他の人にうつしてしまうので止めましょう。日本には各地域ごとに専門の施設があります。かかりつけ医師を通して専門施設へ相談してください。妊娠していない方は、学校・仕事を休み周りの人にうつさないようにしてください。風疹は、法律で「体のブツブツ(皮疹)が消えるまで出席停止」と決められています(学校保健安全法)。病院を受診するときは、事前に電話で「風疹かもしれない」と受付に連絡しておく必要があります。
5. 風疹抗体検査・ワクチン一部助成
妊娠を希望する女性とそのパートナーは、1人1回まで無料で検査することができます。検査結果の抗体価によってワクチンを接種する際に一部助成がありますので、ご自身の住んでいる自治体のHPをご確認ください。
ゼロマチクリニック天神では風疹予防に取り組んでいます。妊娠希望の方、パートナー、家族の方ご相談ください。
福岡市民の妊娠希望者(とパートナー)が利用可能な公費接種の費用は以下の通りです。
・麻しん風しん予防ワクチン:3,000円(自費だと8,800円)
・風しん予防ワクチン:2,000円(自費だと5,500円)