当院では、日々多くの患者様からLINEを通じてお問い合わせをいただきます。その中には予約やキャンセルに関するものもあれば、「症状への対応」「薬の使い方」「治療の必要性」といった医学的判断を求める内容もございます。
ここで改めてご案内申し上げたいのは、このような「医療相談」は本来、無償で行えるものではなく、診療行為として対価が伴うという点です。
医療相談は「商品」に該当します
一般の小売店に例えるとわかりやすいかもしれません。
たとえばスーパーで野菜を買う、書店で本を買う、美容室で髪を切ってもらう――これらはすべて「お金を支払い」「商品やサービスを受け取る」行為です。
医療機関も同様で、受診いただく方は診察料という形で代金を支払い、その見返りとして医師から医学的判断や治療を受けています。
つまり、医療相談そのものが「医療という商品」にあたり、対価を伴わずに無償で提供されることは制度的にも道義的にもありえません。
無償相談が認められない理由
法的な側面
医師法第17条では「医師でなければ、医業をなしてはならない」と規定されています。ここでいう「医業」とは、医学的判断をもって診断や助言を行うことを指します。LINEやメールを通じた回答であっても、症状を評価して助言する行為は「医業」に該当し、すなわち診療行為とみなされます。診療行為には必ず「診察料」という対価が発生するため、無償での実施は法律上想定されていません。
公平性の側面
仮に一部の方のみが無償で医療相談を受けられるとすれば、診療を受けて正規に費用を支払っている他の方との公平性を欠くことになります。医療資源は限られており、すべての方に平等であるべきです。公平性を守るためにも、医療相談は有償で統一することが不可欠です。
医療安全の側面
チャットや文章だけのやり取りでは、十分な診察や検査を行うことができません。その結果、誤解や情報不足による判断ミスが生じ、不利益をもたらすリスクがあります。医療は「直接の診察・検査・対話」を前提として安全性が担保されるものです。したがって、チャットでの一問一答形式の相談は診療行為として不完全であり、原則的に診察の場で完結させる必要があります。
当院の基本方針
当院では、次のような方針を明確にしております。
公式LINE(お問い合わせ)での医学的な質問は診療行為にあたるため、回答ができません。
無償での医学的助言は行うことができません。
ご不安や疑問は、診察の際に直接ご相談いただき、その場で医師の判断を受けてください。
緊急を要する場合には、迷わず救急外来や適切な医療機関を受診してください。
皆さまへのお願い
「LINEでちょっと聞くだけだから無料でいいのでは」と思われる方も少なくありません。しかし、それは美容室で「少しだけ髪を切って」と無料で求めるのと同じくらい、制度上も倫理上も成り立たない行為です。
医療行為は専門的な知識と責任に基づいたサービスであり、その対価をお支払いいただくことで初めて成立します。
私たちは、すべての方に安全で公平な医療を提供するため、このルールを徹底しております。どうぞご理解とご協力をお願い申し上げます。