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「どうしようもなくイライラしてしまって、人格が変わったようになる。なんとかしたい」「おなかが痛くて、座っているのがつらい」などと悩む女性がいる一方で、生理痛をほとんど経験していないと言う人もいます。また、同じ人でも中学生の頃にはなんでもなかったのに、大学生になってからひどい痛みに悩まされ始めた、と言う場合もあります。
例えば生理痛の場合、プラスタグランジンというホルモンの量によって子宮の収縮の度合いが違ってくること(分泌量が多くなると子宮が強く収縮して痛みがひどくなりがち)で個人差が生まれます。また、同じ刺激に対しても、痛みを感じる度合いが人によって異なります。つまり、痛いのが平気な人と、そうでない敏感な人にわかれます。こうしたことの組み合わせで、辛さは様々に現れます。
男性は生理を体感できないので、ピンとこないだろうという想像が働きます。しかし、同じ女性に理解されなくてショックを受けたという話をよく耳にします。あなたもそんな経験、ありませんか?
高校生の頃、「痛い痛い」と苦しんでいたら、「演技じゃないのぉ?」と冷たく言い放たれて、ただでさえ元気がなかったのに、すっかり落ち込んでしまったことがある、と聞かされたこともあります。
症状のほとんどない人や、軽い人、ちょっとがまんすればやり過ごせる人は、ついつい、辛さを抱えている人に対して、想像を働かせることができなかったり、自分のわかる範囲でしか理解できないことになりがちです。「がまんが足りない」とか「ずる休みしてる」とか、自分を基準に他人を見てしまうことは、生理痛に限らず、他人を思いやることの難しさを感じさせます。けれども、「多様性」が重視されるこれからの生活の中で、自分中心から抜け出て、他人のありようを理解することはとても大事なことのはずです。
「がまんすれば、やり過ごせる」と自分も周りの人もついつい考えがちです。けれども、1年間でも12、3回は同じように苦しむ可能性があり、例えばあなたが20代なら、閉経までには、数百回同じことが起きるかも知れません。それを放置することは、Quality of Life(生活の質)に大きな影響を及ぼします。
第1に、何度も生理痛をがまんすることで、仕事や勉強の能率が落ちます。そして、痛みが、「子宮内膜症のような病気のサインであった場合、それを放置してしまうと、不妊症の原因にもなります。痛みによって日常生活に差し障りがでる、と感じた場合は迷わず受診してください。
生理痛を軽減する手段の一つとしてピル(経口避妊薬)があります。ピルは長期にわたって服用しても安全で、効果を発揮する手段です。ですから、クリニックで受診して(適切と診察され)、処方されれば、生理痛に対する長期的な対処が可能になります。
ところが、かつてピルを服用したお母様から「副作用が強いからやめておきなさい」というアドバイスがあったら、躊躇してしまいますよね? その場合、実体験ベースであることは事実であり協力ですが、客観的に見て、正しくないことも往々にしてあります。2-30年前のピルは、エストロゲンというホルモンの用量が今よりも多く、副作用が強くなりがちでした。