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はじめに、ピルは卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンと呼ばれる2つの女性ホルモンが配合されている薬です。
このエストロゲンが含まれる量によって、高用量ピル・中用量ピル・低用量ピル(OC)・超低用量ピル(LEP)に分類され、用量が多いほど効果と副作用が高いとされています。
- 高用量ピル・中用量ピル 1999年に低用量ピルが認可されるまで使用されていた薬で、治療的な効果が高い一方で、副作用が大きい特徴があります。主に不正出血や過多月経、月経困難症、月経周期異常等に効果があります。
- 低用量ピル(OC)・超低用量ピル(LEP) 現代はより副作用が少なく、安全性と確実性の高い低用量ピル(OC)や超低用量ピル(LEP※保険適用内)の服用が一般的です。これらは、規則正しく服用することで高い避妊効果があり、さらには生理不順や生理痛の改善にも効果があります。しかし、飲み始めは薬に身体が慣れるまで、2~3か月間ほど副作用が続きます。
ホルモン別に4種類
次にピルは黄体ホルモン(プロゲステロン)別に4種類に分けられます。世代は開発順です。
- ノルエチステロン(第一世代) 生理の量が減り、生理痛緩和効果に優れたピルです。
- レボノルゲストレル(第ニ世代) 不正出血を減少させる作用があり、薬によってホルモン量の配合パターンが異なります。
- デソゲストレル(第三世代) ニキビや肌荒れなどに効果があります。
- ドロスピレノン(第四世代) ニキビやむくみなどの副作用が少ないですが、不正出血や血栓症のリスクは他世代の種類に比べ高い傾向があります。生理の回数を減らすことができ、PMSの改善や月経困難症、子宮内膜症の治療薬にもなります。
ホルモンの配合パターン別に3種類
ピルは、休薬期間を含めた28日間分が1シートにまとめて販売されています。薬により21日間分(+休薬期間7日間)と24日間分(+休薬期間4日間)のものがあります。
配合パターンとは、シートにある錠剤1つ当たりの卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合量の変動パターンのことを指し、パターン別に1相性・2相性・3相性に分類されます。
- 1相性 21日間用と24日間用があります。錠剤ひとつ当たりの卵巣ホルモンと黄体ホルモンは一定量が配合されており、服用期間中は1日に飲むホルモン量は変動しません。飲む順番が特に決まっていないため、気軽に続けやすいとされています。延長をする場合は、休薬期間をおくことなく、同じものを飲み続ければ生理周期をコントロールできます。
- 2相性 21日間用があります。錠剤ひとつ当たりの卵巣ホルモンと黄体ホルモンの配合パターンが2段階に変動するため、飲む順番が決まっています(※日本では未認可)。
- 3相性 21日間用があります。錠剤ひとつ当たりの卵巣ホルモンと黄体ホルモンの配合パターンが3段階に変動するため、飲む順番が決まっています。
さらに、2相性と3相性などの段階的に配合パターンが変動するものには、中間増量型と漸増型があります。自分のホルモン環境にあった配合パターンを選択することができます。延長をしたい場合は、休薬期間をおかず、後半の配合パターンのものを飲む必要があります。前半のパターンのものを飲むと、ホルモン量が少なくなっているため、不正出血を起こす可能性があります。飲む順番には注意しましょう。
ここまでピルの種類を分類ごとにご紹介しました。自分のピルを飲む目的やホルモン環境に適したものを服用するようにしましょう。
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